◆悪夢の夜から、わずか24時間後に訪れた“奇跡”
前夜の試合は、まさに悪夢だった──。
中日のドラフト1位ルーキー・金丸夢斗がプロ初勝利を目前にしながら、9回裏にまさかの逆転サヨナラ負け。代役守護神・清水達也がまさかの4連打を浴び、笑顔が絶望へと変わる瞬間。勝利を目前にしながら“地獄”に突き落とされた中日ファンにとって、忘れられない夜となりました。
◆再び2点ビハインド、相手は“元竜の守護神”マルティネス
そんな失意の翌日。中日はまたしても9回まで0対2の劣勢。
しかも巨人のマウンドに立っていたのは、かつて中日を支えた絶対的守護神ライデル・マルティネス。誰もが「連敗がまた続くかもしれない」と不安を抱えていたことでしょう。
2アウト・ランナー二、三塁──打席には中日の4番・細川成也。
◆“意地と技術”の頂上決戦!細川が放った渾身の一振り
カウントはフルカウント。追い込まれながらも、粘って粘って迎えた7球目。
浮いたスプリットを──逃さなかった。
「無我夢中で食らいついた」と語るそのスイングから放たれた打球は、一直線にレフトスタンドへ。今季第6号となる、劇的な逆転3ランホームラン!
竜党の涙と絶叫、狂喜乱舞の光景が、地方球場の夜空に響き渡りました。
◆“あのライマルから打った”という事実
この一打が特別なのは、打った相手が“元同僚”という点にもあります。
細川が放った一発の価値を、最もよく知るのは中日ファンでしょう。マルティネスが相手だったからこそ、心の底から「やったぞ!」と思えた。
感情が揺さぶられるのは、ただ勝ったからではなく、“昨日の悔しさ”をこの一発で吹き飛ばしたからに他なりません。
◆守護神・清水がリベンジ!苦手球場で意地を見せた最終回
そして最終回。
再びマウンドに立ったのは、前夜悔しさを味わった清水達也。連投となった中、緊張感のあるマウンドを見事に無失点で締め、リベンジ成功!
「信じて任せてくれた首脳陣にも感謝です」
地方球場という苦手環境、雷雨の影響、プレッシャー……すべてを乗り越えて掴んだ勝利に、ファンからは安堵の声が広がりました。
◆ファンが作った“奇跡の夜”──その声援が力になった
現地で声を枯らして応援し続けていたファンがいました。
雷雨の中、完封負け寸前でも決して諦めなかった応援。その「チャンステーマ」の中で放たれた放物線は、まさにファンと選手が共に作り上げた奇跡でした。
◆この勝利を“反転攻勢”のきっかけに
この劇的な勝利を、ただの一夜の奇跡にしてはならない。
嫌な流れを断ち切り、チームの空気を変えることができたこの試合。細川の意地、清水のリベンジ、ファンの声援──すべてが揃って生まれた価値ある勝利。
「さぁ、ここからだ。」
中日はきっと、ここから反転攻勢をかけてくれるはずです。
◆あの一振りは、夢ではなかった
“ホームランなんて、まさかこの場面で出るわけない”──誰もがそう思った。
それでも、細川成也はやってのけた。
打たれたライデル・マルティネスを責める気にはなれない。中日ファンの多くがいまでも彼を愛しているからこそ、ただただ今日という1日を称えたい。
そして、心からこう言える。
ありがとう、細川。ありがとう、ドラゴンズ。
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