昨年オフ、中日ドラゴンズから夢を追ってメジャーへ旅立った小笠原慎之介投手(27)が、ついにその第一歩を踏み出した。現地6日(日本時間7日)、ナショナルズの本拠地で行われたレッドソックス戦でメジャー初登板。結果は2回2/3を投げて7安打4失点、勝利投手の権利は得られず3回途中でマウンドを降りることとなった。
初回、先頭打者にヒットを浴びた後、メジャー初三振を奪い期待が高まる中で、連打と本塁打で4点を失う苦しい立ち上がり。2回には雨天中断を挟みながらも無失点に抑え、3回も粘りを見せたが、不運な失策からピンチを招き、ここで交代。最速は92.6マイル(約149km)を記録し、制球自体に大きな乱れはなかったが、テンポに乗れずリズムを掴みきれなかった。
ここまで時間はかかったが、ついにメジャーの舞台に立った小笠原。マイナー調整中には怪我にも悩まされ、なかなか思うように前へ進めない日々が続いていた。それでも地道にコンディションを整え、この日のマウンドを掴み取った。ドラゴンズ時代のように、規定投球回を投げ抜くタフさと安定感が小笠原の持ち味。それだけに、この登板が「本来の彼」ではないと信じたいファンも多い。
SNSや現地メディアでは、厳しい声も少なくない。「DFA(戦力外)も近いのでは」といった意見や、「日本でも侍ジャパンに選ばれていない選手が通用するのか?」と疑問を呈する声も上がっている。一方で、「メジャー初登板は誰だって緊張する」「次が本当の勝負」「今回は打たれたけど、夢を諦めずに頑張ってほしい」といった、温かく見守る声も多く寄せられている。
かつてのドラゴンズファンにとっても、小笠原の挑戦は希望の物語だ。井川慶や松坂大輔、そしてダルビッシュ有といった多くの投手たちが海を渡り、成功も失敗も味わってきた。小笠原もまた、その歴史の一行に名前を刻んだばかりだ。
たった一度の登板で評価が決まるわけではない。今回の悔しさを糧に、もう一度チャンスをもらえるその日まで、彼がどれだけ準備し、どれだけ真剣に向き合うかがすべてだろう。私たちファンができることは、信じて応援すること。夢の続きは、きっとこれから始まる。
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